江沼地方史研究会は、加賀江沼の歴史・地理・民俗などを調査、研究し、郷土の文化発展および地域活性化に資することを目的に、昭和30年11月に創設されました。現在、会員は、加賀市を中心に、小松市や金沢市、福井市などに在住する、およそ100名余りの方々が入会されています。
活動の中心は、毎月1回開かれる例会で、その内容は、会員による研究発表や加賀市周辺の史跡見学会です。会発足時からの例会の開催数はこれまでに600回を超えております。
また、毎年1冊、会誌『えぬのくに』を発行しており、令和5年4月には第68号を発刊しました。会誌には、「北前船」や「白山信仰」「苗字」「屯田兵」「大聖寺藩の歴史」など、当地域の重要な歴史事項についての研究成果が数多く投稿されており、学術振興の面からも高く評価されております。
このほか、特別事業として、『江沼文献叢書』、『大聖寺藩史(復刻版)』、『加賀江沼の字名』『加賀ふるさと人物事典』などの書籍の発行や歴史講座の開催などをおこなっております。
このたび、郷土の歴史を紐解く『加賀・大聖寺の近代史』が発刊されました。
明治・大正・昭和、激動の百年間を郷土の政治・経済・文化の知られざる
エピソードから紐解く歴史エッセイ集。( 著者 江沼地方史研究会会長 見附裕史 )
◆序章 大聖寺八間道
◆第一章 産業編
大聖寺における鉛筆製造史、大聖寺川水電株式会社の歴史、江沼郡の金融機関の始まりと八十四銀行、北陸線の敷設と馬車鉄道、
大聖寺川改修の歴史
◆第二章 事件編
大聖寺藩の贋金づくり、浦上キリシタンの預かり、江沼郡におけるコレラの流行、大津事件に登場する二人の江沼人、
大聖寺大火九・九・九の悪夢
◆第三章 世相編
明治天皇の北陸行幸、大聖寺博覧会の開催、戦争とウサギ狩り、大聖寺の料亭、吉崎参りと巡航船
◆第四章 人物編
適塾の塾頭となった渡辺卯三郎、東方芝山と柴山村、森有礼の来聖、瓜生外吉とその妻 繁子、西洋陶磁器の先駆者飛鳥井孝太郎、
茶人岩原謙三、魯山人と長流亭、大聖寺出身の宝塚スター小夜福子
◆第五章 北前船四大船主編
北前船のふる里橋立村、久保彦兵衛、西出孫左衛門、二大船主の里瀬越村、大家七平、広海
定価 2,000円(税込) A5版 280ページ
★ご希望の方は、下記書店にてお求め下さい。
◆うつのみや香林坊店 金沢市香林坊東急スクエアB1F 電話076-234-8111
◆まえやま書店 加賀市山代温泉14区 電話076--76-0137
◆平和書店アル・プラザ加賀店 加賀市作見町(加賀温泉駅前)電話0761-72-8162
※なお、郵送をご希望の方は、江沼地方史研究会までメールもしくはお電話下さい。
この場合、送料込みで2,500円となります。
✉ mituke@mail2.kagacable.ne.jp ☎ 090-7746-4007
石川県では、長年にわたって地域の文化発展に貢献した個人・団体を讃えるため、毎年、文化功労賞を選定・公表していますが、令和3年度は、団体の部で江沼地方史研究会が選ばれました。選定理由は「加賀江沼の歴史・地理・民俗に関する調査研究を実施し、その成果を会誌にまとめるなど、地域の文化振興に尽くしてきた」ということでした。稲坂謙三先生、牧野隆信先生らが中心となってつくられた当会が、創設以来70年という長きに及んでいることや、字名調査や人物調査などをはじめ多彩な活動内容が評価されたものと思います。これもひとえに日頃より、こうした活動に参加いただいております会員の皆様方のお陰と心より感謝申し上げます。